Anou

東京で働くバツイチ40代男性のひとり暮らし(たまにふたり)とかいろいろ。

【ひとり暮らし、マンションを買う】新築か?中古か?(1/2)

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前の記事では、賃貸と新築マンションの購入と売却を経験したひとり暮らし男性が、中古マンションを購入したポイントをまとめてみました。この記事では「買うなら新築マンションか?中古か?」と言うよく見かける議論について、私なりの考えをまとめてみました。

f:id:Anou4649:20220203175631j:plain*画像は私の手描きイメージです

-目次-

 

新築マンションと中古マンションの比較

1. 金銭面

1-1. 購入価格

【結論】新築:×(割高) / 中古:◎(適正)

新築マンションは、2013年の金融緩和政策や東京オリンピック、その後のウッドショックによる要因から、価格上昇を続けています。ものすごくザックリですが、現在の新築マンションの相場は5千万円から1億円で、4千万円台の新築物件があればレアなお得物件か、駅からバスを使う必要があるなど、何らかのデメリットを抱えているか等の場合が多いです。コロナが落ち着けば価格は下がると言われていますが、個人的には怪しいと思っています。と言うのも、一昨年までは「オリンピックが終われば価格は下がる。」と言う専門家が大多数だったのです。現在は昔のバブルの頃のような投資目的ではなく、実際に居住する人が多いため、物件の流動性が低くなっています。そうした購入者が続く内は、価格も下がりにくい状況が続くと思われます。理由は単純で、転売で利益を得ることよりも、自己の住居を確かに構えたい人の方が多いから、です。そもそも、マンションデベロッパーも大規模マンションをたくさん作って安く売るより、少量を高額で売る方が利益率と人件費が安くて済むと言う背景があります。これらは実際に購入や売却をやってみて、初めてわかったことでした。不動産業界って、何だかすごい。

中古マンションもコロナ禍の影響を受けて需要が増え、価格が微増しています。それでも、一般的なサラリーマンの手が届く範囲内ではあります。

1-2. 購入時の諸費用(と手間)

【結論】新築:◎(シンプル) / 中古:△(費用も手間も多め)

新築はマンションデベロッパーと、銀行(住宅ローン)の2者と調整しながら購入を進めます。それに対して中古は、仲介会社(不動産)、売主、銀行(住宅ローン)の3者と調整して購入を進める流れになります。まつわる人(会社)が多ければ多いほど、必要となる時間と経費も多くなります。よって、新築の方が購入時における諸費用の金額としては低くなる傾向です。

1-3. 税制上の優遇措置

【結論】新築:◎(手厚い) / 中古:△(薄い)

今年の4月以降、住宅ローン控除の内容が大きく変わります。直近で考えている方は最新の情報をきちんとチェックしつつ、購入時の不動産担当者とも確認しながら進める必要があります。以前の記事で、今回の変更を「改悪」と言いましたが、条件によっては以前の内容から著しく変更される訳ではないケースも見られるようです。そもそも、昨年で終了かと言われていた控除期間が、2025年まで延期になりましたので、今検討中及びこれから検討の方にはチャンスが来ている、とも言えます。住宅ローンについて話し始めると長くなるので、詳細については追って別記事にまとめたいと思います。ざっくり結論だけを言うと、新築マンションの控除額は455万円、中古マンションの控除額は210万円が上限です。(*認定住宅における最大額)

1-4. ランニングコスト修繕積立金

【結論】新築:○ / 中古:△

マンションは10〜15年に一度、大規模修繕と言って物件全体の大掛かりなメンテナンスを行います。かかる費用がとても大きい(数千万円以上)ため、管理組合が費用を毎月、居住者から徴収して積み立てます。新築の場合、各設備はもちろん新品ですので、最初の大規模修繕は少なめな処置で済むことが多いです。ただし2度、3度目と物件の劣化が進むにつれて修繕内容は増え、それに伴って修繕費用も膨らんで行きます。また、マンション販売時は多くの場合、この修繕積立金が低めに設定されています。これは不動産販売会社のずるいところなのですが、物件購入時に、修繕積立金というランニングコストが高いことを認識してしまうと、客の購買意欲が下がってしまうため、敢えて低めの数字に設定されるケースが多いです。このポイントを不動産の営業担当に突っ込むと、たいてい「平均的な数字から算出しています。どの程度修繕したいかは入居者の相違で決める必要があるので、管理組合はじめ入居者の皆様でよくご相談なさって頂く必要があります。」とはぐらかされます。終の住処と決めている人にとっては、後でツケが回ってくる計算になっています。反対に、10年以内に住み替える人にとっては、ランニングコストが安いという場合もあり得ます。

中古マンションの場合は、築何年の物件に入居するかによりますが、流通する多くの物件が築10年以上であることを考えると、一度目の修繕積立金改定(上昇)の後であると思いますので、新築で入る際よりも高額になります。なお、購入した翌年に大規模修繕があり、一時金が必要になるケース等も存在しますので、検討時にきちんと「長期修繕計画」の内容確認が必要です。

1-5. 資産性

【結論】新築:△ / 中古:△(どちらとも言えない)

新築物件は10〜20%程度の「お祝い金」(デベロッパーの利益や広告費、モデルルーム費用)が上乗せされていて、購入後はその分の価格が下がるのが一般的です。しかし、上述したように「投資目的」ではなく「実際に住み続ける目的の人」が増えたこと、資材の高騰、マンション供給数の低下等の要因を受けて、むしろ値上がりするのがここ数年の一般的な流れになってしまいました。私もいくつかの新築マンションを観察していますが、東京近郊でここ1〜2年に新築で発売されたマンションが値下がりしたケースは1割位の印象で、殆ど見かけません。世の中には「マンションすごろく」と言って、新築マンションを次々と渡り歩き、その売却益を元に資産を積み上げて行く人がいると聞きますが、頷ける状況です。(雲の上の人たちの遊び、と言う印象ですが。)
中古物件は「維持しやすい」と言うメリットがあります。一度、市場競争にさらされた物件は、近くに新駅や大型商業施設が出来る(無くなる)等の大きな変化がない限り、変動しにくいのが一般的です。若干の上下はありましたが、コロナ禍という未曾有の事態を持ってしても、価格を大きく変動させる外的要因にはなり得ませんでした。不動産購入で、価値変動のバクチをしたくない、と言う人は中古物件が適していると思います。

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*写真はイメージです

2. 設備面

2-1. 事前の確認

【結論】新築:× / 中古:◎
これは中古物件が有利です。新築では数ある部屋の仕様の中から、代表的な2-3のモデルルームしか事前に見ることが出来ません。わからない部分は想像するしかないのです。もちろん、各所の寸法はわかるので家具や家電の事前購入は可能ですし、お金を出せば3Dを立ち上げることも出来ます。ですが、梁や天井の高さ、窓の大きさやソファに座った際の景色など、実際に体感してみないとわからない要素が多いのも事実です。その点中古は、売主の了承があれば物件内の隅々までを見ることが可能。さらに、今住んでいる人の使用している家具やそのレイアウトは、自分が入居する際のヒントになることも多いです。

2-2. 設備や建具

【結論】新築:◎ / 中古:△
これは新築物件が有利です。間取りを熟知した設計者が関わって選定を行うので、間違いありません。また、言うまでもなく最新の設備です。中古もリノベしたばかりの物件であれば最新のこともありますが、多くのケースでは一昔前の感がある設備になると思われます。(ウチもそうです。)

2-3. カスタマイズ

【結論】新築:△ / 中古:◎
これは中古物件が有利です。事前の確認に通ずるポイントでもありますが、実際に現地を見て、どのようにリフォームを行うか考えることが出来るのは、中古に限られた大きなメリットです。また、新築の場合は引き渡し日が確定していますが、中古の場合は売主と相談の上で引き渡し日を決めることが出来るので、検討や工事期間を逆算して調整することが可能な点も、大きなメリットです。ただし、リフォームについては管理規約に細かく定められている場合もあるので、こちらも事前の確認が必須です。

2-4. 耐震性などマンション自体の造り

【結論】新築:◎ / 中古:○

1981年に建築基準法が改正され、それ以前の建物は想定しうる地震に耐えられない可能性が高いと言われています。ですので、耐震性に対する一つの基準は「1981年以前か、以降か」と言うポイントになります。ちなみに友人の建築士に聞くと、2000年代の古いマンションの中には、現在ほど資材や人件費が高くなかったことや、販売側の求める利益率が高くなかったこともあって、コンクリートの質や量が良い状態の物件が見られるそうです。一概に新しいから何もかもが良い、と言うことでは無い様です。他、地震時の変形に対応できるドアとその枠を採用しているとか、敷地内に非常電源などの設備や資源を確保しているかなどもポイントになりますが、これは明らかに東日本大震災以降に建てられたマンションが優れているケースが多いようです。

中古の場合、上述したように築年数が1981年以降であれば、まず心配はありません。ただし、修繕が行き届いているかどうか、をチェックすることは非常に大切です。例えば、建物に表面上のひび割れ(クラック)が見てとれる物件は、修繕に対して積極的でない可能性があります。購入時にマイナスポイントとして捉える方が良いと思います。過去の修繕についてはマンション管理組合で保管している資料に詳細が明記されているので、購入時はそちらの確認も(手間ですが)行う方がベターです。

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*写真はイメージです

 

思っていたよりも説明したいポイントが多くて、長い記事になってしまいました。

・購入から入居までのプロセス
・物件という選択肢の幅
・マンションコミュニティ(および管理組合)
・まとめ:ひとり暮らしが新築ではなく、中古を買った理由

これらもご紹介したかったのですが、読みにくいと感じたので、後編に分けようと思います。もしよろしければ、ご覧頂けると嬉しいです。

 

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