東京都庭園美術館で開催されていた「建物公開2022 アール・デコの貴重書」へ行ってきました、その3。
最初の展示室には、東京都庭園美術館本館こと、朝香宮邸の設計概要が紹介されていました。1933年築ですので、今年(2022年)で築89年。
-目次-
1. 最初の展示室
平面図を見ると、ロの字の建物構造になっていることがわかります。3階は開示されている期間があるのでしょうか?行ったことがないなぁ。
朝香宮夫妻が欧州で3年を過ごした際の領収書(レシート)を貼った冊子。家計簿というか、お小遣い帖というか。ここでの交流が、後の朝香宮邸を建てた時の美術品購入へと繋がったようです。
エルメス、、、!!領収書まで美しい。
朝香宮家の身の回りを世話する「奥」と呼ばれる人たちの記した日誌、作業報告書のようなものでしょうか。
宮内省の内匠寮という、各分野のエキスパートが集まって造られたそうです。
「アール・デコの全盛期であったフランスに滞在した朝香宮夫妻は、建設にあたってフランス人芸術家アンリ・ラパンに主要な部屋の内装設計を依頼、アール・デコの精華を積極的に取り入れました。(紹介文より)」
2. 大広間
↑1933年、築後間もない頃にとられた写真。
↑2022年現在。カーペットが敷かれているため、床面の印象は異なりますが、空間全体としては、見事にそのままです。
鏡に映る天井の半円球の連続は、空間に奥行きをもたらすことを考えて作られたそうです。また、↑上の写真の右側、アーチ状に窪んだ部分の壁紙は、当時のフランスの週刊誌の写真から再現されたものだそうです。
3. レオン・ブランショによる大理石のレリーフ
食堂の壁面にも、ブランショの作品がありました。
4. 第一階段
私がこの建物で最も好きな場所です。
ここでは白、茶、黒色の3種類の大理石が用いられています。
花模様をモチーフとしたブロンズ製イブシ仕上げの金物。
とても画になりますね、、、。
壁面は、ラフコートと呼ばれる海外製の壁材が採用されています。
5. 二階広間
潤沢な予算を元に、当時最先端であったデザインエッセンスを用い、日本国内の熟練工が形造る、という夢のような共同作業から生まれたことがわかります。そして、数奇な運命を辿りつつも、当時の形を現代に残した点もまた、素晴らしいことです。
つづく。
camera:sony α7Ⅳ
lens:sony SEL24F14GM
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