2021年7月に訪れました。
今年はオリンピックもあり、建築においては隈研吾さんが中心にあったと感じられる年でした。もともと巨匠クラスの方でしたが、ここ10年の加速度は素人から見ても華々しいと感じられる凄さです。その建築物の数々の模型や解説などを一堂に介しているということで、大人気の展示となっていました。
とても暑い日でした。写真を見ると懐かしい。
展示のタイトルにもある通り、模型のあちこちにネコがいます。
子供達は楽しそうに探していました、こういうのも良いですね。
なぜ公募したのか不思議の駅。品川ゲートウェイ。
最近のJRは駅舎に予算をかけない傾向が強い中で、隈さんが苦心してデザインをまとめたであろうと伺える気がします。折り紙という日本らしさのモチーフもわかりやすく交えつつ成立させられています。(まだ降りたことはありません。)
建築家の彫刻や絵画って、楽しそうにやってらっしゃる感じが良いですね。
上の写真に猫が一匹いるのですが、わかりますか?
(正解:屋根に赤い猫)
作品の量がとても多く、所々を流しても2時間半程かかりました。
大満足です、非常に見応えがありました。
最も印象に残ったのは、写真家の瀧本幹也さんによる映像作品でした。私は建築物を撮ることが好きです(そうした方はとても多いと思います)。そうした人たちの理想的、最上級の作品であったのではと思いました。その一部は図録にも収録されていますが、現場で見た映像は本当に素晴らしかったです。
図録は非常に見応えのあるボリュームで、買って良かったです。展示関係者に猫が大好きな人がいるのでしょうか。エリア外の猫視点の作品は?が多かったですが、VRを利用した建築作品の体験コーナーは非常に面白かったです。
近年の作品である渋谷駅や角川武蔵野ミュージアムも掲載されていました。
最後に、千駄ヶ谷の新国立競技場です。
これは思うところがあり、微妙な文章になってしまったので、「隈さんが大好き!」という方は(私も好きなのですが)ここでページを離れてください。
2度、現地で外観を見ました。言いにくいのですが、画面を通して見るよりも、安っぽくて残念な気持ちになったことを覚えています。デザインとしてはシンプルで良いなと思っていたのですが、実物の印象は「地方でお金を掛けて建造したイオン」という感じ。イオンが悪い訳では無いのですが、国を代表するスタジアムがこれか、、、という残念な気持ちに。隈さんに対して「これはおかしいかも知れませんよ。」というスタッフがいないのかな、と寂しい気持ちになりました。前回オリンピックの丹下健三さんの代々木体育館の足元にも及ばないというか、そもそも、日本が貧しくなってしまったことの象徴なのか、、、。コンペの代表である安藤忠雄さんも、外野の声を無視して押し通すことが出来なかったものなのでしょうか。
実際の使い勝手としては、選手のみならずイベント関係者からも酷評の声が多く聞こえます。個人的には、ザハさんの初期案を建てるべきだったと思います。お金は掛かったと思いますが、代々木体育館のように後世に残るものとなったはず。オリンピックではさまざまな側面で、マスコミの傍若無人ぶりが目立っていました。数年後に、負の遺産としての課題が噴出することになると思われます。
国立競技場における隈さんの素晴らしさは、腫れ物と化した国家プロジェクトに対して、最大公約数といえるデザインを提示した点にある、とも思います。複雑ですね。
camera:sony α7c
lens:Sigma 28-70mm f2.8 DG DN