2024年4月10日発売された、宇多田ヒカル 初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』を購入しました。毎日聴いてます。ここ3-4年はspotifyにどっぷりな日常ではありますが、最近はDiscを購入する機会が少しずつ増えてきました。「これは買っておきたい」というタイトルが多いんですよね。本作もそうした、物としての満足感と鑑賞性の高さを兼ね備えた仕上がりになっていると思います。
なぜ今、ベストアルバムなのか
ベスト盤の発売、というニュースを聞いた時は「いや、アルバムは全部持っているし。ライブblu-rayだって持っていますし(荒い鼻息)。」と思いましたが、同時に「何か仕掛けを用意しているかもしれない」と思い直して、即予約したのが3月上旬。気がつけばリリースを楽しみに待つ日々。新規のリミックスがあれば嬉しいなー程度に思っていたのですが、「新曲」「新規レコーディング」「リミックス」祭という大サービスなベストアルバムとなりました。
新曲は「何色でもない花」、「Electricity」という2曲が収録。さらに、「Addicted To You」「traveling」「光」の3曲は新規レコーディング。リミックスは10曲。これ、通常のアルバム並みの労力がかかっているのではないでしょうか。と思っていたら、どうやら宇多田さんご本人が「ファンに対する恩返し的なアルバムにしたい」というお考えであったらしく、納得&感謝。
なお、今作のベストアルバムは、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズと、ユニバーサル ミュージック合同会社との合同プロジェクトによるリリースとなり、レコード会社の枠を越えた取り組みとなります。CDは株式会社ソニー・ミュージックレーベルズからの発売、ベストアルバムのデジタル配信はユニバーサル ミュージック合同会社からとなります。(公式サイトより)
さらっと紹介されていましたが、会社の垣根を越える1大プロジェクトになっているようです。古参オタクとしては「宇多田ヒカル=東芝EMI」というイメージですが、2017年以降はEPIC RECORDS(sony musicのレーベル)の所属でしたね。
開封の儀
サステナビリティが呪文のように世に唱えられる令和の時代に、プラスチックたっぷりのCDとして発売してもらえるというありがたみ。この重量感。テカテカした感じ。外側のフィルムにのみ貼られている透明なシール。これこれ。うおぉん、いいじゃないか、こういうのがいいんだよ。(五郎さん風の感謝)
ジャケットの特殊印刷
まず、目を引くのが外装。ジャケットは美しさと懐かしさを兼ね備えた特殊印刷が施されています。紙の印刷って本当にすごい。そしてどこか、小学生の頃に学研の本で見たことがあるような不思議さ。アルバムのタイトルから発想されたアイデアでしょうか。印刷会社の担当者は一生の思い出に残る、良い仕事になったのではないでしょうか。そしてこれはレンチキュラー印刷かな?と思いましたが、どうでしょうか。詳しい方がいらしたら教えてください。
裏面↑はよく見ると小さなポツポツが。点字?
見応えのあるブックレット
ブックレットは写真集であり、詩集でもあるタイプ。読みごたえのある良書でした。良いですね、そして懐かしい。思えば、私は学生時代にCDと共に歩んできました。2024年にもなって、こうした「物として素晴らしいアルバム」を楽しむことができるということに対しては、感慨深いものがあります。現在はデジタルでの配布が全盛の時代ではありますが、YOASOBIやKing gnu など一部のアーティストは「物」としてのアルバムリリースを大切にしてくれています。ありがたや。
写真は前回の「BADモード」に引き続き、Takayさんがご担当。プロジェクションを投影した人物写真は一時期流行った手法ですが、センスの良いチームと写真家が用いるとクオリティが高いですね。眼福。
「Beautiful World」は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の主題歌。何かのインタビューで読みましたが、庵野監督と特別に打ち合わせをする訳でなく制作した歌だそうです。そんなことあるのか。恐ろしいまでに映画とマッチングした、珠玉の名曲だと思います。
久しぶりの外付け光学式ドライブ
毎回、収納の奥底から引っ張り出すたびに「前に使ったのいつだっけ」とか「これが最後になるかも」と思ってしまう外付け式光学ドライブ。
昔はiTunesに大量のデータを読み込んでいましたが、サブスクへ移行したことでほとんど出番がなくなったMusic。つい、「あれ、iTunesどこだ、、、」と探してしまう古のオタクです。
唸り声を上げてディスクを回転させる様子は、嫌いではありません。
意外にも、1年に3枚程度はCDを購入しています。サブスクは便利で活用していますが、ある日突然「配信終了」とされる可能性もありますからね。外付け式光学ドライブは、CDを保有しておきたいオタクの必需品かもしれません。
購入者特典 購入者対象チケット特別案内&シール
購入動機の半分を占めたのは、この特典。神様、どうか、、、。前回のライブは「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」だったので、もう6年!も経つんですね。そして気がつけば同ライブのBlu-rayは在庫切れで高騰中。
シールもありました。私はヨドバシ.comで購入で購入したので、袋の中に入っていたことに最初は気づかず、危うく捨ててしまうところでした。ちゃんと確認しましょう。
さいごに
という訳で、発売されて以降、ほぼ毎日聴いています。先日購入したモニターヘッドホンで聴いて、毎回、飛んでいます。アーティストご本人によるリミックス、録り直し楽曲って「そういうことしないでよ、、、」というパターンも多いのですが、本作は「こんな表現もあるんですね、、、前のアルバムも改めて聴いてみるか」という心境になれます。さながら「しょっぱいものを食べて、甘いものを食べて、またしょっぱいものを、、、」というルフラン。こんなに「ありがたみ」を感じるベストアルバムは初めてだったような気がします。聴福。
40代半ばになると、親のアレコレなどもあって「終活」という文字が頭の片隅をよぎります。今すぐ死ぬという話では無いのですが、「物を増やしすぎるのはどうか」という逡巡が多くなるお年頃。「物」を購入するときは「本当に実物として所有する意味があるのか」ということを凄く考えるようになりました。なお、今回の宇多田ヒカル ベストアルバム『SCIENCE FICTION』は私が火葬される際、棺桶にぶち込んでもらいたいと思えるほどの作品だと感じているので、私にとっては実質無料です。ありがとうございました。買って大満足のアルバムでした!
こんなにプロモーション活動を積極的に行ったことが、かつてあっただろうか、、、?!という位、さまざまなメディアに登場されている宇多田さん。お元気そうで何よりです。2016年の活動再開以降、割と継続的にリリースしていただけているような。ご本人のトークや歌声を聴けることは至福だなと感じます。これからも、ご無理の無い範囲で活動なさって下さると嬉しい。そして、、、コンサート、、、当たってくれ、、、!!
camera:sony α7Ⅳ
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