遅ればせながら、映画館で観てきました。ゴールデンカムイ。結論から申し上げますと、最高でした。実写化は無理ではないか?と思っていて、本当にごめんなさい。語彙力がありませんが、最高の実写化プロジェクトだと思います。ありがとうございました。
*本blogの画像は公式サイトより
-目次-
キャストについて
杉本佐一:山崎賢人
杉本佐一を演じた山崎賢人さん。私はキングダムが未視聴なので、TBS日曜劇場の「アトムの童」の印象が最も強いです。番宣やメイキングを見ましたが、役に対する準備の熱量がとんでもないですね、、、。鑑賞前は「原作に比較すると、やや線が細い印象では?」と思っていましたが、とんでもない。日露戦争の二〇三高地を描くシーンでの軍人としての狂人っぷりは、ただただ圧倒されました。私は原作大好き人間ですが、山崎さんの杉本佐一は全面的に支持します。ありがとうございました。
アシリパ:山田杏奈
最も不安だった(失礼)山田杏奈さん演じるアシリパさん。*「リ」は小文字が正式表記。お若いのに、こんなに素晴らしい女優さんがいらっしゃったとは。スクリーンの中に、まごうことなき「アシリパさんそのもの」が居ました。上映前の不安はどこへやら、時間が経つにつれて土下座したい気持ちになりました。漫画の中での豊かな表情の実現、杉本とのニヤニヤしてしまうような微笑ましい距離感の演技、アクションシーンで弓を射る勇猛な姿。劇場で見て損はありません。むしろ追加で課金したいくらいです。今後、シリーズとして続いていくであろう本作において更に進化するのだろうと思います。楽しみすぎる。ありがとうございました。
白石由竹:矢本悠馬
矢本悠馬さん演ずる白石由竹。本作は「このキャラクター、実写化できるんだ???」と言う驚きの連続だったのですが、その最たる話題の中心がこの人。大爆笑の連続でした。漫画のアクションの再現はもちろん、漫画にはなかった細かな所作や目線の動きなども全て「シライシーーー!!」でした。見た目や中味とは裏腹に、物語で重要なポジションを果たしてくれる、脱獄の王。矢本さんご本人が原作のファンということで、見ていて安心感しかない演技でした。もっと見ていたい。ありがとうございました。
鶴見篤四郎:玉木宏
主役の2人と同様に、本作で最もハマり役だったと思うのはこちら。玉木宏さん演ずる鶴見篤四郎。ゴールデンカムイの最も重要な役の一人、個人的には最も好きなキャラクターです。本作で初めて画面に登場した瞬間から、紛れもなく「鶴見中尉」でした。軽薄な敵役ではなく、日本が直面した戦争の「負の側面」を厚く、熱く表現された好敵手。物語後半では「そうだったのか、、、」と言う描写が増えるのですが、続編でのさらなる好演に期待しかありません。ありがとうございました。
原作は31巻、映画は128分だけど?
正直、公開直後に観よう!という気分ではありませんでした。キャストのことや予算感のこと、スタッフがどこまで原作を愛しているのかなどなど、不安点が多すぎたからです。そして最も気がかりだったのが「2時間程度の映画で、31巻もある大作漫画をどこまで表現するのか?」という点でした。ネタバレを含みませんので詳細を語りませんが、イチ原作勢として納得の構成、脚本でした。もちろん、一本の映画として成立させるために原作とは一部異なる構成もありますが、全く気になりません。大切なポイントを残しつつ、後半の盛り上がりの演出をうまいこと調整しています。未視聴の皆様、多分大丈夫だと思います。(個人の意見です)
映画制作チームが持つ「原作へのリスペクト」
予告や映画サイトで必ず公開されているビジュアル↑。
映画「ゴールデンカムイ」は、数々のキャラクターの作り込み、原作を大切にした映画用の脚本の構成など、目に見える要素から演出の底に流れる信念まで、たくさんの「原作へのリスペクト」が溢れる映画作品でした。特に、物語の重要な要素となる「二〇三高地」の描写は、真摯で重厚なシーンでした。「中国やアメリカ」など具体的な国と敵対するはずの原作だったのに、映画化で「よくわからない第三国」という表現に変更されてしまった作品が数多く存在してきました。昨今のドラマでの話題もあり、思うところは多いポイントですが、本作ではそうした「原作を破壊する改変」はありませんでした。制作チームの尊敬、誠意と覚悟が感じられます。そして上↑のビジュアルを「物語のキービジュアル」と捉えているところに、「今回の実写化は原作の本質をきちんと捉えている」という事実が凝縮されているように感じます。出演者はじめ制作チームの皆様、素晴らしい映画を作っていただいて、ありがとうございました。
二〇三高地に関連する良いサイトがありましたので、気になる方はこちらのリンクをどうぞ。(↓ネタバレあり)
まとめ
短い記事にするつもりだったのですが、気がつけば長めの記事になってしまいました。元オタクなので、実際には早口で話してしまうかも知れません。文字でよかった。それは置いておいて、本作は2時間があっという間でした。体感では45分くらい。一本の映画として非常に優れています。傑作です。本記事では触れきれませんでしたが、画面の端々に映る小道具のクオリティ、大切な要素である「料理」の再現性、アイヌ文化に対する尊敬など、他にも素晴らしいポイントに溢れています。悩んでいる方、気になっている方、ぜひ劇場に足を運んでほしいと思います。私はもう2回くらいは劇場で見たいと思っています。
あと、熊がきちんと怖かったです。絶対に現実で出会いたくない。クレジットに海外のCGプロダクションが多数、表記されていましたので、アニマル関連は向こうのプロフェッショナルが取り組んでくれたのかな?
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