Anou

東京で働くバツイチ40代男性のひとり暮らし(たまにふたり)とかいろいろ。

【機動戦士ガンダム 水星の魔女】第15話「父と子と」考察〜やはりグエルは主人公だった(嬉

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水星の魔女は、やはりグエルさんことボブが主人公でした。今週も相変わらず情報量が大盛り。先週の「彼女のネガイ」は、プロスペラやニカ姉、ソフィーらの願いにフォーカスされたエピソードでした。そして今週の「父と子」ではグエル、シャディク、ミオリネにおける親子関係が描かれるエピソードとなりました。

*画像は全て公式サイト&snsより

-目次-

 

 

 

キツすぎるOP

フォルドの夜明け

第1期ではヤバめのテロリスト集団として描かれた「フォルドの夜明け」でしたが、第15話ではスペーシアンに虐げられる側、レジスタンスとしての描写が多め。避難民が集う学校の施設を間借りしており、その代わりに安全を保証するという共存関係を築いているようです。雰囲気としてはVガンダムのリガ・ミリティアを彷彿とさせます。第二期ではどちらか一方が単純な悪役ではない、という描写が増えてきましたね。これまでのガンダムの伝統に則って、地球寮メンバーが大地に降り立つエピソードがくるのでしょうか。

 

 

 

壁面に貼られたメモ

Save your food , save the Earth.

食料を守れ、地球を守れ。

Saving energy for a swift victory.

迅速な勝利のために、エネルギーを節約する。

 

Infectious Disease prevention measures

Wash your hands / Get enaough sleep / Consult a doctor

感染症予防対策

手を洗う / 十分な睡眠をとる / 医師に相談する

 

Food ration:1500 kilo calories daily per person

Water supply:2 liters per person

食料の配給:1人あたり毎日1500キロカロリー

水の供給:1人あたり2リットル

 

ひとつ目の「Saving energy for a swift victory.」からは、レジスタンスの苦しい懐事情が伺えます。彼らのスポンサーは誰なのでしょうか?戦争シェアリングによって、資金の配分が行われているのかもしれません。他は避難所ということもあってか、至極まっとうな内容の張り紙。ソフィが避難所の子供たちから慕われていた描写もあったので、フォルドの夜明けメンバーと避難民の関係は隷属的なものではないことが見て取れます。

 

 

 

オルコット

また1人、素晴らしいキャラクターが誕生してしまいました。反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」のモビルスーツ隊指揮官。元ドミニコス隊の所属で、優秀なパイロット。幼い子供を亡くしてしまったことなどが理由で、フォルドの夜明けに所属した模様。

 

 

 

左手の義手

グエルの口を無理やり開ける瞬間、シンシアに重なった瓦礫を持ち上げる瞬間、どちらもモーター音のようなSEが入っていました。プロスペラと同じく、何らかの理由で義手となっているようです。冒頭でバッテリーを受け取っている描写(と、装着?)があったので、時間的な活動限界があるっぽい。フォルドの夜明けメンバーとの合流にはデッドラインがあるということでしょうか。

 

「グエル・ジェターク、お前は取引の持ち札だ。死んで楽になれると、思うなよ。」

古参オタクは知っています、これが憎しみだけではない行動であるということが、、、(メンンドクサイ)。セリフ的には物騒ですが、テロリストとしての気持ちが半分、そしてまだ子供である年齢のグエルに対する複雑な気持ちが半分、という描かれ方でした。

 

 

 

「律儀だねぇ、お前さんは」

ナジにこう言われた時のオルコットの顔、誰かに似ていると思っうのですが…(グエル?)戦争で失ってしまった子供に対する後悔を強く滲ませるキャラクター。「教えてくれ」と縋るグエルとの師弟関係で、オルコット自身が救われていくエピソードになればいいのですが、果たして。

 

 

 

 

ノエル vs ニカ姉

顔に蹴りを入れられたニカ姉。暴行を受けて倒れる様子はヤムチャのオマージュでしょうか。(不謹慎)「どの口がぁぁ!」と蹴りまくるノエルはガンダムにおける正統派な強化人間の描写。これが日曜の17時に地上波で見られるとは、、、。他にも、「クソッタレなエゴ」なんてセリフは、いかにもガンダムらしくていいですね。

囚われのニカ姉は、ゴリゴリに再調整されるか、もしくは、単純な生体デバイスとしてガンヴォルヴァに組み込まれ、スレッタたちと望まない戦いに駆り出される未来しか見えません。ノエルに顎で使われそう。助かってくれ…。

 

 

 

 

シャディクとサリウス

「果たしたいことがあるんです。宇宙開発事業の莫大な費用を裏で支える戦争シェアリング。俺はね父さん、これを壊したいんですよ。」

「浅はかだな、戦争シャアリングの利権構造は不可侵だ。容易く崩せば」

「地球は代理戦争で疲弊、企業は限られたパイの奪い合い、利益も先細りの一途でしょう。もっといい方法があります。ベネリットグループの資産を、全て地球に売って仕舞えばいいんですよ。」

「地球に?」

「いつ戦争が起きるかわからない。地球と企業の緊張関係を利用して、抑止力という経済を生み出すんです。そうすれば地球で戦争を起こす必要も、無くなります。」

「お前は、アーシアンとのハーフだったな、紛争エリアの。」

「地球に武力を与えて、スペーシアンへの怨嗟を晴らしたいだけではないのか」

「恨みで腹は満たせませんよ、ですが、スペーシアンだけが権益を持ち、搾取する今のままでは、力がなければ、何も変わらない。だったら、俺はその力を、奪い取る。」

シャディクの背面服従に気づいてはいたものの、壮大な野望までは想像できていなかったサリウスの戸惑いが描かれました。そして、シャディクはガンガン死亡フラグが立ちまくっています。第2期でテンポよく話が進むとした場合、次のエピソードではシャディクがグラスレーのCEO代理として登場することがあり得るかも知れません。

デリングが築いた現状のシステム(戦争シェアリング)を壊し、アーシアンスペーシアンと対等な関係を構築することが狙いなシャディク。均衡が崩されるということは、どちらかが主導を得るために大きな戦いが始まってしまう、ということです。戦争になれば、自分と同じような境遇の子供達がさらに増えてしまう、ということに気づいていない点が滑稽です。さらに、自分を慕ってくれるチームシャディクの女の子たちも、ゆくゆくは死んでしまうことがありそう。父がわりのサリウスを誘拐して力を手に入れ、戦争を加速させる王子の未来はどっちだ。

かつて、宇宙に暮らす人たちの地位向上のためにコロニーや大岩を落とした人たちが居るんですが、水星の魔女では代わりに人類補完計画を発動させるってことでしょうか。エンジェルハイロウの狂気にも近しいですね。

 

第1期でシャディクがエアリアルに対して「興味がある」と言っていたのは、「均衡を崩すことができる存在だから」だった訳ですね。そして、苦しくもスレッタがミオリネを手に入れたことで、シャディクの迷いが消え、自身の待望のために行動を開始した、、、と。ラウダの「お前がきてから、何もかもおかしくなったんだ!」のセリフが効いてきます。第2期のティザービジュアルで、画面左側に居るキャラの多くは死亡する説、案外正しいのかも?

プレバンがシャディクのネックレスを商品化しているんですが、需要あるのか…?!

p-bandai.jp

 

 

 

ケナンジとラジャン

「ドミニコスでなく、グループのセキュリティホースが地球へ?」

「カテドラルに仮を作りたくない」

「悪い予感がするなぁ」

「企業が独断で動いている それが狙いか?」

またしても物騒なやりとりです。ケナンジはようやくキャラクターページに掲載されました。彼の悪い予感は必ず当たるので、次の第16話では今回の襲撃が何らかの悲劇の一端になると思われます。地球連合がベネリットグループと対峙するきっかけ?それが次のエピソードタイトルの「惨禍」の始まり?

 

 

 

 

今週のグエルさん(待ってた)

主人公ムーヴ

・死に行く子供を助けるために「わからない、何がしたいんだ!俺は!」と言いながら背負って走る

・エンディングのキャストでトップに刻まれる

・空から降ってきたモビルスーツに乗り込み、敵を倒す好アシスト

・助けられなかった幼い女の子を、ソフィの墓の隣に埋めて弔ってあげる優しさ

これは主人公で確定です。ありがとうございました。「こんなグエルさんは見たくなかった」「こんなグエルが見たかった!」が詰まった良エピソードでした。

 

 

 

オルコットとの師弟関係

爆音と共にジャンプするグエル。その間隙をついて敵を一掃するオルコス。良いコンビネーションでした。

「俺はどうすれば」

「俺はお前の親じゃない、どうしたらいいかなんて、自分で考えるんだな」

「教えてくれないか、軌道エレベータまでの行き方」

「これ以上無くしたくないんだ、俺と父さんをつなぐもの」

えっ?この世界も「軌道エレベータ」があるんですか?どこかで聞いたことがありますね?(Gのレコンギスタ)さりげなく新設定が登場して驚きましたが、オルコットとグエルの間で始まる師弟関係を示唆される重要なシーン。最近で言えば、ユニコーンガンダムにおけるバナージとジンネマン。初代で言えばアムロランバ・ラルでしょうか。

「どうすれば」に対して「親じゃない」と答えるオルコットは、ナジの言う通り律儀であり、責任感が強く、子供に対して真摯であることが滲み出ています。この流れで、グエルを見捨てることは、まずあり得ないでしょう。フォルドの夜明けに合流するまで、考える時間が欲しい、と言うセリフもありましたので、ここからは別行動でグエルが宇宙に戻るエピソードに突入の予感。第18話辺りで「重力の井戸の底で」と言うタイトルが来たら歓喜します。ただ、ガンダムの伝統として、主人公を宇宙に送り出すサポート役は、その過程で死亡してしまうと言う習わしがあるんですよね。(カミーユとフォウ)死んでほしくない、オルコット、、、。

 

 

 

ラジャンとミオリネ

完全にいい人であることがわかりました、ラジャン・ザヒ。(水星の魔女、思っていたよりマトモな大人が多いな…?)

「草案はささやかなものでした」

「植生エンジニアでもあられたノートレット様は、植物の多種多様な生存戦略を、人類にも適用できないかと考えておられました」

「夢想的で根拠もない、しかしあの方らしいお考えだ」

「その提唱に賛同した一人が、デリング・レンブラン、あなたのお父上です」

 

過去にガンダムを用いた大きな戦いがあり、それが大きな惨禍となったようです。

パーツとして消費される兵士、ガンダム狩りの理由。

 

 

人間性の回帰を」

「総裁は強硬手段を持ってしても強く求められました」

「それでも、戦争シェアリングで紛争をコントロールしても、秩序を手に入れることは叶わなかった」

「だからこそノートレットの草案は総裁の希望でした、事故で失われるまでは」

 

「総裁は、自ら葬ったガンダムを利用してでも、ノートレット様とのお誓いを果たすつもりです。ですがミオリネ様、あなたはあなただ、お父上ではありません。どうか、ご自身のお心で」

 

 

「子供に対して真摯に向き合い、与えられるものは与えてあげたいう気持ち」と、「何か手持ち無沙汰になってしまう自分を誤魔化したいという気持ち」がごちゃ混ぜになった大人と言うキャラクター。ガンダムユニコーンにおけるオットー艦長のオマージュだと感じました。聞かれたことに対して誠実に答え、なおかつ、親の思いを呪いにさせないために、自分自身の判断を行うように補足をするあたり、ラジャンの人間性の素晴らしさが滲み出るやりとりでした。本当に軍人?と思える人柄ですが、死に行く友人をたくさん見てしまった軍人だからこそ、と言う描写なのかも知れません。

 

この会話から、ミオリネがデリングの代わりにベネリットグループの総裁に就任する、、、と言う流れは無さそうだなと感じました。おそらく、ミオリネなりの考えをまとめ、それを実行するために株式会社ガンダムで自らの使命を果たして行く、、、という流れになるような気がしています。と言うのも、ミオリネの成長速度が凄まじいのです。社長としての仕事や、生死を彷徨う父との関係性、父の秘めた想いを知ったことなどが、彼女を育んだのでしょうか。その強さを持ってすれば、ミオリネはクワイエット・ゼロを公表し、株式会社ガンダムで計画を引き継ぐ、というプランを選択するような気がします。ただしそれは、デリングやプロスペラの思い描くプランではなく、よりミオリネの母の純粋さに近い方向に舵を切ることになるでしょう。(=シャディクとの全面対決になりそう) ミオリネの掲げる理想を妨げるものの盾になるのが、スレッタ&エアリアルになってくれれば良いのですが…。

 

他にも、OPでエアリアルの中のエリクトの新カットが追加されたとか、そもそもスレッタ(公式の主人公)の出番が一切なかったとか、面白いポイントはたくさんでした。第2期で地球連合が一切描かれていないので、そろそろ登場しそうな気もします。来週が楽しみです。