ついに1stシーズンの最終話を迎えた「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。全体的にはこれまで11話かけて進んできた物語の「伏線の回収」ではなく、「学園百合モノの皮をブチ破って顔を出した、いつものガンダム」という方向性のお話でした。ありがとうございました。と言うわけで最終話の感想と考察、その2です。
(画像は公式サイトより)
-目次-
プロスペラとスレッタ
(画像は公式サイトより)
射撃も洗脳も一流のプロスペラ
プロスペラ「スレッタ、大丈夫?ごめんね、怖い思いさせちゃって」
スレッタ「し、、、し、、、」(震
プロスペラ「死んでるわ、大丈夫」
スレ「そうじゃ、なくて、、、殺したんだよ」
プロスペラ「そうしなければ、あなたが殺されてたでしょう。逃げたら一つ、進めば二つ」
スレ「え?」
プロスペラ「扉の向こうにこもっていれば、お母さんはこの人たちを殺さずに済んだ。でも、戦ったことで、スレッタを死なせずに済んだ。そしてもう一つ、スレッタがエアリアルと一緒に戦ってくれたら。」
「無理だよ、だって」
(境界線)
プロスペラ「そうね、今怒ってるのは決闘じゃない、怖いよね、傷つきたくないよね」
(目ギョロ)
プロスペラ「でも、あなたとエアリアルなら、お母さんも、スレッタも、ミオリネさんも、みんな救われる」
(手を触れる)
スレ「救う?」
プロスペラ「今みんなを救えるのは、あなたたちだけよ。スレッタ、あなたは進める子!でしょ?」
(手を差し伸べる)
(目の色が変わる)
スレ「うん、すすめる、進んで、きた」
(顔を上げるスレッタ)
プロ&スレ「逃げたら、一つ、進めば二つ!」
(ハモリ)
もはやお馴染みとなりつつある「プロスペラ教」の洗脳シーン。話法としては第8話と同じく、「論点ずらし」からの「励まし」。
プロスペラがスレッタを助けるために行った人殺しが「既に1つとしてカウント」されており、次に「2人で2つにしましょう!」という論理。意訳すると、「あなたも人殺しをして、前に進みましょう!」な訳です。どんな親ですか。
特に「ミオリネを救う」と言うワードがスレッタに効果的だったようです。ある意味、スレッタが何をしたいのか、何を言って欲しいかを的確に把握している母親だからこその騙し文句。狡猾。
腕外し芸はありませんでしたが、相変わらずの鬼畜詐欺師っぷりを発揮。
侵入した敵兵に射殺されそうな主人公を救う、、、?エヴァンゲリオン劇場版で、ミサトさんがシンジくんを助けるために敵兵を次々と撃ち殺す「悪く思わないでね」のシーンを思い出しました。
プロスペラが自分の野望のために、スレッタを駒として扱うために助けたに過ぎないことは明白ですが、「怖いよね、傷つきたくないよね」と気持ちに歩み寄る姿勢を示されたスレッタはコロリと騙されてしまいます。「逃げたら一つ、進めば二つ」は「前か後ろのどちらかを選択しなさい」と言う暗示ですが、本来的には「何もしない、現状維持」と言う選択肢もあって然るべき。悩む人を二元論に追い込み、危険性の高い選択肢へと誘う。ここが本暗示の怖いところです。
1期では「子が親を疑う=精神的な自立」と言うステージへ到達することができなかったスレッタ。会社設立により成長するミオリネや、各個に能力を高める地球寮メンバーとは対照的です。2期で親の束縛を解くのはミオリネか、はたまたスレッタ自身か、、、。
ガンダムらしい演出
(画像は公式サイトより)
このシーン、よく見るとスレッタが膝を抱えて座るエリアには血が飛び散っていません。ですが、スレッタは自分の足でそのエリアの境界線を踏み越えてプロスペラに歩み寄りました。これは「スレッタが人殺しに加担する側へ進んでしまう」と言う意味が込められていると思われます。普通に考えればSTARWARSばりにダークサイドに堕ちる瞬間なはずなのですが、「スレッタが歩むことで、暗いところから光が当たる側に来たようなライティング」「後光が差す母親の手を取る」「穏やかで美しいピアノ調に編曲された主題歌のBGM」によって、まるでスレッタが正義の道を進むかのような演出が施されているのがエグいところです。製作チームは「これまで、伝統的にガンダムが表現してきたものは何か」を良く噛み砕いた上で本作を制作しているんだなあ、と感服する思いです。
無双するエアリアル改修型
デザイン、どうなの?
(画像は公式サイトより)
おおおぉぉお!!カッコイイ!!、、、イイんだけど、、、なんか一気にガンダムっぽくなった。エアリアルの違和感がようやく受け入れられて、新しいデザインとして気に入り始めた矢先、むしろこれまでのガンダム像に戻るような外観、、、。0083のフルバーニアンと言うか、ガンダムXXと言うか、ウイングカスタムゼロと言うか、、、。
HG 1/144 ガンダムエアリアル(改修型)は2023年3月発売予定
ソフィも「君エアリアル!なんか怖い顔。前の方が好きだったなぁあ!」と言ってましたね。珍しく賛成。そんなことをブツブツと言いつつ、プラモデルのサイトを覗いてしまうオタク(私)。ん?アレ?HGエアリアル改修型のプロポーション、君、設定画とちょっと違わない??設定画はもっと胴体がギュッとしていて小顔なような、、、
(画像は公式サイトより組み合わせ)
うーん、何と言うかモヤモヤ。とは言えこちらの改修型の予約は10月に終わってしまっているようなので、打つ手無し(泣
エアリアル改修型 vs ガンダム・ルブリス・ウル&ソーン
(画像は公式twitterより)
スレッタ「この子もガンダム?」
ソフィ「あーまたガンビッド?ずるい!」
スレッタ「地球寮、船、無事?良かった」
(ソーン参戦)
スレッタ「行くよ、みんな!」
(エアリアルバスター仮)
ソフィ「また会いにくるね、スレッタお姉ちゃん」
戦闘と会話からわかる内容
(画像は公式サイトより)
・ソフィはガンビットに対する知識がある
・スレッタはエアリアルを通して周囲の環境を知ることができる
(対シャディク戦の覚醒後と同様=パーメット6の状態)
・改修前と同様にエアリアルと接続が可能
・スレッタは引き続きパーメットの逆流を受けない
・ソフィはスレッタを同類、あるいは姉妹と認識している
第12話時点のエアリアル改修型のポイント
(画像はBandai Hobby サイトより)
・宇宙空間での高機動性能の獲得
・ガンビットの動きの複雑化
・ガンビットライフルにより、これまで苦手としていた遠距離戦闘も可能
エランとの決闘で露見した弱点を、ことごとく潰して来ました。今回の戦闘は短時間でしたので、まだまだ顕になっていない性能がたくさんありそう。第二期の活躍に期待です。
「エアリアル改修型が実戦仕様ではない」から伺えるプロスペラの野望
プラント・クエタ襲撃の真の黒幕とは
(画像はBandai Hobby サイトより)
ガンビットライフルの砲撃を目の当たりにしたフォルドの夜明けメンバーが、「(エアリアルが)実戦仕様ではない」と言ったセリフ、これが謎です。襲撃から出撃まで若干の猶予はあったはず。スレッタを待つプロスペラが座して死を待つわけがありません。リミッター解除作業は大変なのでしょうか?そんな訳ないよな、つまりは…?と言うことで、私の想像はコレです。
『プロスペラはフォルドの夜明けの襲撃を把握しており、かつ、スレッタ&エアリアルの性能も理解していることから、「フォルドの夜明けを殲滅させないレベルで遠ざける」ことを狙っていた。』
地球とデリング、そして他の御三家ともコネクションを持つプロスペラなら出来る芸当です。一歩進んで考えると、今回のプラント・クエタ襲撃事件の黒幕はシャディクですらなく、プロスペラであった、という妄想も可能です。
エアリアルの重要なピースであるスレッタを始めとした株式会社ガンダムのメンバーがプラント・クエタに来訪すること、ミオリネとデリングと言うキーマンが居るという状況。絡み合うシャディクの野望と、ヴィム・ジェタークの野望。そして、デリング主導で進めさせている「クワイエット・ゼロ」。1期で培ってきた全ての要素がプラント・クエタには揃っていた、とは考えられないでしょうか。
不敵な笑みのシャディク
(画像は公式サイトより)
サビーナ「フォルドの夜明けからメッセージが来た、作戦は失敗したと」
上記のように考えると、計画が失敗に終わった報告を聞いたシャディクが特に狼狽していなかったことにも説明がつきます。シャディクにとっては、プロスペラの目的がなんであれ、グエルのヴィムの撃破によって「御三家の弱体化」と言う願いを果たせた訳です。
最終話はインパクトが強過ぎて、いまだに終わったことが受け入れられていない状態です。なので感想と考察と言いつつ、書きながら整理をしているような感じ。それだけ水星の魔女の魅力にハマッたと言うことでしょうか。snsを賑わせたCパートを含めて、あと一つ、最終話の感想と考察の記事はつづきます。
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