Anou

東京で働くバツイチ40代男性のひとり暮らし(たまにふたり)とかいろいろ。

【機動戦士ガンダム 水星の魔女】第16話 「罪過の輪」を形成する5つの罪

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水星の魔女の主人公がスレッタとミオリネ、そしてグエルであることは明確な事実。そして裏主人公は、プロスペラであることが印象付けられた第16話。ガンダムといえば「仮面キャラ」、仮面キャラと言えば「味わい深い敵役」が伝統です。プロスペラというキャラクターも、ガンダムのレジェンドに加わるであろう強烈な印象を形作り始めています。能登麻美子さんによる素晴らしい演技が光るエピソードでもありました。今週のタイトルは「罪過の輪」。罪過とは「罪、あやまち。罰すること、またはその処罰」という意味。プロスペラ、ベルメリア、グエル、チームシャディク、そしてアーシアンスペーシアン、さまざまな「あやまち」が描かれた第16話でした。

*画像は全て公式サイト&snsより

-目次-

 

 

 

 

罪禍その1:ガンドに囚われた研究者たち

プロスペラとベルメリア

「世界を書き換えたいの、エリーが幸せになるために」

「最初は目を疑ったわ。エリーの生体コードは完全に同調できていた。けれど、幼い体は過酷な宇宙の環境に耐えられなかった。私はルブリスを使ってエリーの命を繋ぐと決めたわ、エアリアルとしてね」

「データストームのネットワークを使って、生体コードを転移した?ってことですか」

「今のエリーはパーメット粒子と同じよ。エアリアルという体がなければ、物理空間では崩壊してしまう。でもスコア8なら、クワイエットゼロでデータストームの領域を広げれば!エリーは!自由に生きることができる!!協力してくれる?ベル」

「できません」

「あら、どうして?」

「これはバナディースの理念とは違います」

「強化人種は作ったのに?データストーム耐性のある人工中枢神経を使用する拡張神経理論、カルド先生は、決して認めなかった。発案者は確か、あなただったわよね」

「やめて!それ以上は!」

「逃れられないのよ、あなたも」

ベルメリアと語るプロスペラは、自分の手を見つめ、それを上へと掲げました。まるでOPでの1シーンのように。無邪気に笑うエリクトを抱き抱えていることを想像しているのでしょう。人としては、研究者としては狂っているように見えますが、子を失った母親として見れば、こんなに悲しいことはありません。

 

 

 

 

明かされるエアリアルの謎と、さらなる謎

多くのファンが予想した通りではありましたが、多くの伏線が回収されました。

・エリクトがルブリスに生体データとして取り込まれた

エアリアルはルブリスをベースとした機体

現在のスレッタがエアリアルで稼働させているのは、パーメットスコア6。さらに2段階上のスコア8まで到達できれば、エリーは自由に生きることができるそうです。さて、ここで言う「自由」とはなんでしょうか?ヒントになるのはエアリアルという体がなければ、物理空間では崩壊してしまう。」と言うプロスペラのセリフと、クワイエット・ゼロの中味」です。

現時点で開示されているクワイエット・ゼロの情報は少なく、「脆弱な身体を捨てて、みんなでネットワークの世界に入ってしまおうぜ」と言うプラン程度のことしかわかっていません。私の予想はコレです。「人間の生命を肉体に紐付かせるものではなく、パーメット粒子をベースとして、肉体や義体などを自由に選択することができるステージへと引き上げること」。ベルメリアが「総裁の求めるクワイエット・ゼロはそこまで必要としない」といったようなセリフがあったので、「クワイエット・ゼロ=パーメットスコア7」であり、「プロスペラの描く理想=パーメットスコア8」なのかなと想像しています。そしておそらく、スレッタはエリクトがインストールされるための素体として育てられているのではないか、、、とも。

 

 

 

 

罪禍その2:ジリ貧のペイル・テクノロジー

ベルメリアとエランくん5号

「強化人種を弄ることに比べたら、なんてことないだろう」

「だったら、そうすればよかったの。仲間も研究も全部燃やされて、ペイル社に飼い殺されるしかなかった。それでもいつか、ガンドの理念は未来につながると、、、」

「それがこの人体実験だって?自分は死にたくない、けどこっちの未来はどうでもいいっていうのか!」

「違う!私は、」

「違わないだろう!あんたのことは上に報告させてもらう」

どんどん追い詰められるベルメリアさん。オープニングでのプロスペラとの会話では、バナディースの理念を抱えながら、同時に、禁止された強化人種の研究に手を染めている現状を自覚させれることとなりました。
そして後半、エランくん5号との会話では、他ならぬ強化人種の被験隊から、自己矛盾を正確に指摘されてしまいました。葛藤の深さがエゲツない。これまで、いろんなことに目を閉ざしながらペイル社で研究に邁進してきたベルメリアさんですが、その罪悪感から株式会社ガンダムに協力していました。しかし、物語が進むにつれて、かりそめの平和は終わりを迎え自らの八方塞がりっぷりを認識せざるを得ないことになってしまいました。追い詰められた人間が何をするのか、自習以降に不穏な要素として残りました。

 

 

 

 

「あなたには扱えないわ」

何気なく発せられたセリフでしたが、これはベルメリアがエアリアルの構成・性能に対して理解していることを示しています。そしてもう一つ。ヴァナディースの禁忌を犯してまで開発した自分の強化人種は、プロスペラの開発したエアリアルとスレッタの組み合わせには劣る性能しか発揮できないという敗北感を滲ませているのだと思います。

強化人種の研究、そしてエアリアルの謎。さまざまなことを深く知ってしまったベルメリアさんは、今後、穏やかに過ごすことは出来なさそうです。地球連合、もしくは宇宙連合から拉致され、情報を吸い上げるだけ吸い上げられて処分される可能性があるかもしれません。ベルメリアさんの明日はどっちだ、、、。

・強化人種のデータを全て削除しペイル社に反旗を翻す

・自らも強化人種として調整、ガンダムに搭乗

想像できるベルメリアさんの展開はこんな感じでしょうか。なんとか贖罪を果たして株式会社ガンダムに合流してほしい。

 

 

 

 

罪禍その3:父殺しの十字架

宇宙へ帰還するグエル

「随分と、久しぶりな気がするな」

テレビの前で「早すぎない?!!嬉しいけども!!」と叫んだ人はいませんか?私は叫びました。セリフと共にタイトルバックにかかるキャラクターは、ただの主人公なんですよ。ありがとうございます、待っていました、いえ、待ちすぎたかもしれません。もしくは、地球でオルコットと砂漠を歩いて自暴自棄になったり、満点の星空を男二人で見上げて泣いたり、ガンダムにおけるジオンの役割を紐解いてもらったりしたかった、、、(バンダイさん、スピンオフお待ちしています)

 

 

 

 

「ペトラ、ラウダを頼む。あとは俺が引き継ぐ。」

自分が父を殺してしまったことは言えず、「あぁ、知っている」としか言えなかったグエル。オルコットさんとの地球でのエピソードが描かれなかった理由は構成上の理由が主だと思うのですが、「グエルは不殺を貫く」という役割を持たせるためだった、のかも知れないと思っています。軌道エレベータに登るまでのエピソードを詳細に描くと、どうしてもスペーシアンとの抗争を描かざるを得ないですからね。私は、近いうちにシャディクとグエルが衝突すると予想しています。その時に、「目的のために手段を選ばないシャディク」と「目的のためとはいえ人を殺さないグエル」の理念がぶつかるだろう、とも。

 

 

 

罪禍その4:アーシアンの怨念

シャディク ver.2(髪を結い上げた)

イケメンは髪をまとめるだけで画になりますね。死亡フラグが立ちまくりではありますが。そんなシャディクさんはプロント管理者を掌握し、さらにはサリウス・ゼネリの誘拐、ニカ・ナナウラの誘拐などなど。ちょいワルを超えて、もう立派なテロリスト集団。ミオリネに関すること以外は本当に優秀です。評議会にリモートで出席するシーンや、本社に向かうシャディクは澄んだ瞳をしていましたが、唯一、ミオリネが総裁選に出るなら、、、という時だけ、俯いて複雑な面持ち。ミオリネからは切られていますが、シャディクには未練があるような描写も。「最後は必ず自分で手を下す」「ミオリネへの想いを断ち切れない」このポイントが最終的にシャディクを窮地に陥れる伏線な気がしています。

 

 

 

 

ニカを仲間に誘うサビーナ様

「理想だけで現実は変わらない。私はシャディクと共に叶えるよ、地球と宇宙の架け橋になる、という夢を」

ニカ姉さんを助けてくれてありがとう。何となく「様」をつけて呼びたくなる。才女っぷりも強調されたエピソードでした。株式会社ガンダムを立ち上げようとしたミオリネを懐柔しようとした際もシャディクが同伴させるなど、チームの中でも絶大な信頼が置かれているようです。また、ニカと同様に、サビーナも地球と宇宙の架け橋になる、という夢を持っています。チームシャディクの冷徹さぶりと暴力性にはアレな思いがありますが、各メンバーの思いは純粋な様子。シャディクがミオリネに傾くようなことがあれば、脇腹の一つでも刺して、自らが矢面に立つことがあるかも知れません。ちなみにサビーナ様の部屋にさりげなく青い薔薇が置かれていました。花言葉は「奇跡」「夢が叶う」。何だこれ、死亡フラグじゃ無いのか、来週も活躍してくれ。

 

 

 

罪禍その5:死の商人ベネリットグループ

COSMIC MEDIA NEWS

Terrorism at asticassia school school authoriteies unable manage situation.
アスティカシアの学校でテロが発生 学校当局は状況を管理できない

Asticassia school terror attack at least 12 dead, many injured.
アスティカシアの学校でテロ、少なくとも12人が死亡、多数の負傷者が出た。

Choas at asticassia school after terror attack.
テロ攻撃後のアスティカシア校での授業風景

32 killed in anti-spacian demonstration in north africa.
北アフリカの反スペーシアンデモで32人死亡

ベネリットグループが企業行政法による治安活動を独断で執行したことで、反スペーシアン感情が拡大、暴動に発展したデモが多発。

Fears of war and terrorism rise due to unrest.
アーシアンの不穏な空気で戦争やテロの懸念が高まる

ランブルリングで直接的に描かれた死者は1名でしたが、もしかすると他にもいるのかもしれません。プラントクエタ事変での犠牲者と合わせて12名ですので、これは隠し通せる内容ではなさそう。
また、北アフリカのデモで32人死亡とありましたが、先週の「父と子」ではもっと多くの死傷者が出ていました。宇宙に伝わるスペーシアンの被害者数は抑制されて報道されている可能性が大ですね。

 

 

 


機密情報が漏れている

・プラント・クエタ事変のテロに関する情報
・ビム・ジェタークの死去
・デリング・レンブラン氏も被害を受けた
・サリウス・ゼネリの誘拐

こうして書き出すと、ベネリットグループが瓦解寸前であることがわかります。さらに、独断で地球に対して治安活動を行なったとなれば、明らかに暴走していると判断されても不思議はありません。エージェントのフェンが危惧するように、宇宙議会連合が乗り出して来れば、さらに大きな戦闘になる可能性が大きいですね。それに対抗するとすれば、清廉潔白とグループの体質改善をテーマに掲げる新総裁の誕生というニュースくらいしか無いのですが、その新総裁の選挙自体がきな臭すぎて、、、。

 

 

 

 

スレッタとミオリネの温室でのやりとり、その後のプロスペラ対ミオリネなど、人物描写が非常に面白かった第16話。長くなってしまったので、次の記事に分けてお送りしてみます。つづく。(たぶん)