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東京で働くバツイチ40代男性のひとり暮らし(たまにふたり)とかいろいろ。

【機動戦士ガンダム 水星の魔女】第11話「地球の魔女」感想と考察 vol.2 これが百合か、、、(尊い)

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1stシーズン最終話ひとつ手前。今後迎えるであろう悲劇の序章として、とても不穏なエピソード。各陣営の闇の深さはもちろん、制作者側の演出における闇の深さも痛感した構成でした、ありがとうございます。と言うわけで2022年のクリスマスを彩ったガンダム、水星の魔女ラス前エピソード「地球の魔女」の感想と考察、その2です。

(画像は公式twitterより)

-目次-

 

 

 

プロスペラとスレッタの電話

(画像は公式サイトより)

「スレッタ、何かあった?それが用事じゃないんでしょ?」

「あ、あのね、私、怖くて」

「何が?」

「みんなが」

「あら、友達できたって言ってたのに」

「それ、勘違いだった、私が調子に乗ってただけ。本当は何にも任されていなくて、誰からも必要とされてなくて」

「みんなにそう言われたの?」

「そうじゃないけど。でも、そう見られてるかも、って思ったら、楽しかったことが、好きだったものが、全部ひっくり返って。今は、怖いの」

「スレッタ、泣いてる?」

「変だよね、そんなつもりなかったのに」

「ドツボにハマった、ってやつね。Cブロック78ハンガー、お母さんもエアリアルもそこにいる、会いにいらっしゃい。」

「うん、行く!すぐ行く!」

 

突然の思春期少女の悩み告白コーナー。アスティカシア高等専門学園に来るまで、同い年の友人が居なかったスレッタ。入学して決闘や会社設立と慌ただしく過ごして来ましたが、友人と喧嘩らしい喧嘩をした経験は無いようです。普通の学生が小学校や中学校で経験をするような人間関係が皆無だった訳なので、やや幼く見えるのも無理は無いかも知れません。このシーンにおける電話の向こうのプロスペラからは「母親の優しさ」と言うよりも「従順な信者への扱い」のような気分を感じたのは私だけでしょうか?そして、心を閉ざして逃げようとするスレッタの心の壁を打ち破ったのは、ミオリネでした。

 

 

 

 

 

開いたのはトイレのドアか、スレッタの心か

(画像は公式サイトより)

(ドンドンドン!スレッタが立て篭もるトイレのドアを叩くミオリネ)

「アッ」

「全部聞かせてもらったわ!こんなところであんた何願ってんのよ!」

「ゴゴゴごめんなさい!」

(ゴン!!頭を打つミオリネ)

「ごめんなさい!わざとじゃぁ」

このシーンは沖浦啓介さんが原画を担当されたようです。素晴らしい躍動感でしたね。脇役として、生き生きと活躍するドアが、これまで存在したでしょうか?手書きアニメって、やっぱり温かみがありますね。ちょっとしたシーンでしたが、脚本上は超重要。母親の庇護の元に逃げようとするスレッタを、ミオリネが翻意させる転換点。だからこそ、重鎮スタッフを割り当てたのでしょうか。非常に見応えのあるアニメーションでした。ご馳走様です。

 

 

 

 

 

スレミオの仲直りシークエンス

(画像は公式サイトより)

「こら!逃げるな!」

「だっ!だってー!」

「言いたいことあるなら、ちゃんと言いなさいよ!」

「ないです、言いたいことないですぅうぅぅ!」

「嘘つき!(意外にしつこいミオリネ)」

「ヒィ!ヒィィィィイィィイ」

「待て!待ちなさいよォ!この、体力お化け、、、」

「あ、ミオリネさん?大丈夫ですか?」

「捕まえた!」

「ひぃ、ひ、卑怯です!」

「賢いって言いなさいよ!バカ!」

「バカだから、任せてもらえないんですか」

「は?」

「私、使えませんし、雑草ですし、弾除けですし、チキンオーバー食べれなくって、みんなに足りないって、言えなくって。」

「なんのこと?」

「こんなことなら、来るんじゃなかった、です」

「何、卑屈になってんのよ、いつものやつはどうしたのよ!進めば2つなんでしょ?」

「できない、です」

「なんでよ?」

「いつもできる訳じゃない。進むの、いつも怖くて、だから、頑張って、唱えて、るのに。ミオリネさん、みたいな人、には、わからないです。ぜったいぃぃ!!」

「このバカ!(殴る)勝手に私のことわかんないでよ!うんざりなの!決闘もクソ親父も!だから逃げたかったのに!地球に行きたかったのに!」

「あの、なんの話?」

「あんたが花婿なんかになっちゃったから!バカみたいに進めば2つって言うから!

会社作る羽目になって!クソ親父にチクチク小言を言われて、頭下げて!」

「す、すみませおぉおぉ」

(ミオリネパンチがスレッタのみぞおちに決まる)

「ドボォ!」

「あんたが一番わかってない!私が逃げなくて良くなったのは、あんたのおかげなの!だから!私から逃げないでよ!言いたいことあったら言ってよ、いつもみたいにうっとおしく進んできてよ!」

「ミオリネ、さん」

「任せて下さいって、私に言ってよ!」

「いいんですか、私で」

「言って!」

「はい、任せて下さい」

「ずっと側にいて」

「はい、います」

「決闘も負けないで」

「はい、負けません、絶対!」

「トマトに培養土足しといて」

「はい?」

「日照パターンはアンデスモデルにして。部屋、週二回掃除しといて、メールは1日3回送って」

「ミオリネさん、泣いてます?」

「見ないで!」

「でも」

「私の言ううこと、信じられないの?」

「信じます、私、花婿ですから」

 

 

これが百合か、、、(尊い

(画像は公式サイトより)

拙いながらも、お互いが胸の内のモヤモヤをぶつけ合いました。お互いに「何を言ってるんだ?」と言う話から、最後はお互いが求め合っていたことを確認すると言う、美しい会話劇。スレッタはミオリネから「信頼」と「特別」を。ミオリネはスレッタから「信頼」と「言ってほしい言葉」を得ました。さりげなくエラン5号から言われた「弾除け」発言も回収されました。今日は雨ですね。目から水がこぼれてきました。先週の第10話の「谷」があったからこそ、第11話の本シーンが「山場」となって心に響きます。良かった良かった。このシーンを音声データで販売してくれませんかね。尊い

 

 

 

みんなヤマアラシのジレンマだった

(画像は公式サイトより)

このシーンで、ミオリネもシャディク同様に、周囲の人に対して「ヤマアラシのジレンマ」を抱えていたことが描写されました。これまで、グエルの父親に対するジレンマ、エラン4号の生きることに対するジレンマ、シャディクのミオリネに対する愛情のジレンマなどが描かれてきました。主人公キャラのスレッタとミオリネについては、「スレッタがコクピットでひとり決心するシーン」や、「ミオリネが会社設立のために一人奔走するシーン」などがありましたが、「直接的な心情をぶつけ合うシーン」や「2人の対話」は無かったのです。スレミオにおける1stシーズンの最も大きなクライマックスは、第11話のこちらのシーンだったと捉えています。本当にありがとうございました。

 

 

 

市ノ瀬加那さんとLynnさんの名演

(画像は公式サイトより)

口元が入るアングルは少なかったので、声優さんの間の使い方が如実に現れるシークエンスでした。アドリブもあったのでしょうか、改めて、この2人の声優さんの凄さを感じました。尊敬。

そしてこのシーンが持つ、もう一つの意味があると思われます。「スレッタが母親以外に深く信頼しあえる人物の出現」です。いままでのスレミオは姫とホルダーの関係であり、社長と従業員(パイロット)の関係でした。自発的に近づいた訳ではなく、環境が結果的に互いを引き合わせていたのです。2人の和解が胸に響くのは、こうした背景もあると思います。

これまで、スレッタの母親に対する異常な依存、服従心のようなものが描かれてきましたが、今回の一件を機に、それが変化する可能性があります。「親離れ」は、ガンダムにおける伝統的なテーマのひとつですが、本作においても同様かもしれません。

真夏のセツナ
Lynn 1st写真集「りん」 (ミナトブックス)

Lynn 1st写真集「りん」 (ミナトブックス)

  • 作者:Lynn
  • シーサイド・コミュニケーションズ
Amazon

 

第11話はロボット戦がほとんど無い人物中心エピソードだった訳ですが、スレミオの盛り上がりやさまざまな情報の開示など、相変わらず内容が潤沢な回でした。と言うわけで、第11話の感想と考察はもう少し続きます。

 

 

 

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