「第7話からの新展開」と言う触れ込みにふさわしい、見応え満点の放送回でした。本格的な「デリング総帥vs御三家」のスタート。煌めく若い世代が見た目の主軸でありながら、老人たちの陰湿な戦いが繰り広げられた第7話。不思議な爽快感がありました。ガンダムバトルが無い人物メイン回でしたが、見応え満点。ちなみに、予想していた映画「Shall We Dance?」の要素は全く関係なかったですね。
(画像は公式サイトより)
-目次-
優しくて優秀なミオリネさん
(画像は公式twitterより)
・エランロスで落ち込むスレッタのメンタルケア
・精神的負荷になるであろうインキュベーションに行かなくていいと助言
・行くとなったらドレスを貸す
・パーティーの過ごし方を指南
・背筋を注意
・スレッタと一緒にエランを探してあげる
・怪しい仮面ママとご挨拶
・花婿を救うべく会社設立
・プライドを捨ててダブスタクソ親父に頭を下げる
なんでしょうか、ものすごく愛されてますねスレッタヌキ。ホッコリ。
「守るわよ、私は、あんたを。」
このセリフは胸熱でした。一瞬インサートされたのはおそらくミオリネの母親の葬式。子供を慰めることなく式場?を後にするデリングを見送る不安げなミオリネ。悲しく寂しかった彼女は、父親から抱きしめてもらえなかったことを恨んでいるのか。それとも、守られるだけの存在ではなく、誰かを守る存在へと変わろうとしているのか。いずれにせよ、急速に成長しようとする10代のキャラクターの描写。アドリブで240億を動かす学生、末恐ろしいものです。
優しくて金払いがいいダブスタクソ親父
(画像は公式サイトより)
「逃げるなよ。お前が考えている以上に、ガンダムの呪いは重い。」
そうですよね、物心ついた頃からガンダムオタクをやっている我々のような古参は重いですよね、、、うっ、、、スミマセン、、、。えっ?オタクの想いが重すぎると悩むバンダイ社員のセリフじゃなかったですっけ?
閑話休題。デリング総裁がどれだけガンドアームに対して苦心してきたかが垣間見えるセリフでした。「私は禁忌とすることで火星圏を守ってきた。お前がどうするつもりかは知らないが、やれるだけやってみろ。」と言うことでしょうか。おそらく御三家の下剋上も見通しているのだとは思いますが、それを差し引いても「成長した娘の提案は無碍にしたくない。」と言う親心の表れではないか、と想像すると目頭が熱くなります。大勢の前での叱責は褒められたものではありませんが、悪いポイントを端的に指摘し、早々に幕引きを図る行為には優しさも感じられます。デリングがただのクズ親ならば、頭を下げたミオリネを無視するはず。口では否定しながらも、サポートする動きにまわってみせるのは優しさでしょうか。かねてより、水星の魔女においてデリングは実はイイヤツなのでは論争があるようですが、今日のセリフはそれを補完した気がしています。ただし、デリングは本当は良い人だった、ミオリネとの一度は失った親子の絆が再び…となった瞬間に死亡する展開もあり得るのがガンダム。
シャディクの伏線のモリモリ
・ミオリネと幼馴染でした
・「ミオリネ、変わったね。人のために動くなんて。昔のミオリネなら絶対やらなかった。これも水星ちゃんの魔力かな。」「変わったよ君は、残念だ。」
これはどういう気持ちの表れなんでしょうか。「シャディクもミオリネを狙っていた」「シャディクが利用するプランに適合しない育ち方をしてしまったミオリネに失望した」「自分と違って、親に反意を表明できるミオリネが羨ましい」などでしょうか。イケメンの嫉妬、意外に悪くありません。
・「こちらこそ、こないだはありがとう。ニカ・ナナウラ」
どうやら、ニカとシャディクは何らかの利益享受関係があるようです。最も想像しやすいのは、ニカがエアリアルの情報をシャディクに流しているということでしょうか。ニカが序盤からスレッタに対して好意的に接しつつ、明るい好奇心を装いながら技術情報を引き出そうとしていた、、、とすると、気持ちが暗くなります。対シャディク戦は近いうちに迎えるイベントなはずなので、今回のコンタクトが伏線の一つとなりそうです。決闘が進むごとにエアリアルの真の性能が明らかになっていく、と言う軸が今後も続きそう。そして、スレッタと決闘をしたキャラは皆、子供らしくないがんじ絡めの境遇から解放されています。来週は友好的で明るいシャディクの闇も描かれるのでしょうか。イケメンの闇側面、悪くありません。
仮面のプロスペラ
(画像は公式サイトより)
第7話の前半で、ミオリネを口撃した理由は、仇討ちを心に秘めるプロスペラの真意の現れなのでしょうか。あまりに無防備に内心を晒しているのがサイコパス感満点。スレッタが御三家から槍玉に挙げられている最中、娘からの呼びかけは意図的に無視していたのではないでしょうか。ミオリネの提案まで予測していたとは思えませんが、、、。エピソードが進むにつれ、プロスペラの母親としての冷酷さが際立っています。そしてラストの「いいえ、ガンダムよ。ごめんねぇ、とうとうバレちゃった。エアリアルは、ガンダムなの。」仮面キャラはこうでなくてはいけません。完全なるサイコパスです。ありがとうございました。シンセーは株式会社ガンダムの技術部担当になるのでしょうか…?表面上は手放してみせるのか?
株式会社ガンダム
来週からは池井戸ワールドのガンダムがスタートするようです。敵対的買収、銀行による融資の停止危機、ふとした日常行為をヒントに生まれる技術革新、信頼していた創立メンバーの裏切りが迎える会社最大の危機、、、!!!
と言う妄想はさておき、ミオリネの言った「投資は匿名契約。グループから独立させる。」という条件は混沌を煽ることが容易に想像されます。学生が起業する、と言う昨今のエッセンスを取り込んでいるとも言えますので、脚本家の構成能力の高さが伺えます。面白いですね。
当面は「対立の構図が確立された学園内で、派閥争いを超えたグループを形造るストーリー」が軸になると思われます。となると、その次はどうなるのか。株式会社ガンダムと御三家が共闘して第3グループと戦うことになるのでしょうか?
またしても何も知らないスレッタさん(17)
(画像は公式サイトより)
ご存じ、水星の魔女のお約束エンド。これまでのエピソードの半分は驚きスレッタぬきで終えているのではないでしょうか。そろそろ「プロスペラくぅん!!ぼかぁ、そろそろ訴えるよぉお!」と言うスレッタさんが見れるかもしれません。人間にとって有害であるガンドフォーマットを装備した機体に、幼少から乗せられてきた事実はショックでしょう。シャディクエピソードの次は「私はなぜガンダムに乗り続けられるのか。私は一体…?!」というスレッタキャラ掘り下げへと進むかも知れませんね。もとい、今週はミオリネが漢気を見せた回でしたので、来週かその次のエピソードでは、気持ちに応えて無双するスレッタが見られるのでしょう。バディモノっていいですね。
そのほか
(画像は公式サイトより)
・グエルさんが登場しなかった回だったので、なんだか物足りない
近所のスーパーでは相変わらずグエルさん味のエアリアルが売れ残っているので、リアルとsnsの差を思い知らされています。弟君は優秀ですね。
・本作はBGMのバリエーションが少ない気がする
スレッタ晒し上げイベントがはじまった時の音楽は別の曲を当てた方が良かったのでは、、、演出的にどうなんでしょうか。本作の劇伴はどれも良い曲が多いのですが、曲数が少ない気がします。そこだけ予算ないのでしょうか。
ざっと思い返しただけでも、この文章量になりました。ルアルタイムデこんなにも楽しめるガンダムが見られるとは、幸福。来週も楽しみです。
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