Anou

東京で働く40代男性のひとりごと。

【機動戦士ガンダム 水星の魔女】第18話 「空っぽな私たち」

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ベネリットグループの新総裁を巡る政治劇回かと思いきや、エアリアルとは何か?」「エリクトはどうなった?」「スレッタの出自は?」と言う本作の大きな謎がまとめて回収されたエピソードとなりました。さらに、ガンダム伝統の「地球篇」が開始する話の流れに。第2期になり、一気に「ガンダムらしさ」が濃くなった水星の魔女。第18話も相変わらず怒涛の展開&情報量でした。

©︎創通・サンライズMBS

-目次-

 

 

 

エリクト&プロスペラとスレッタの離別

エリクトとスレッタ~初めての直接対話

ミオリネに会いにきたスレッタでしたが、おそらくプロスペラの計画によりエアリアルの元へ。(エアリアル自身の意思?!)

 

「進んだんだよ、お母さんの言う通り。でも、わかんないの。進めば2つって、今は思えない。」

 

パーメットスコア8を発動するエアリアル。スレッタはデータストームの向こう側、エアリアルの「中」へと至ります。(エランくん5号がお仕置きされた部屋)

 

「水星15463日。今日のゲームはディギングキング。スコアは6-4で、僕の勝ち。もう一回!って諦めない君に、お母さんはホットココアとハチミツのキャンディを一つ。太陽風で暖房が止まっていたから、飲み掛けのマグカップ、君はコクピットに当てて、こうすれば暖かいよって。」

エアリアルだよね、どうして私と同じ?」

 

ボロボロのルブリスの肩に乗り、唐突に思い出話を始めるエリクト本体(=エアリアル)。ほぼ第1期のOPそのままのビジュアルですね。状況が飲み込めないスレッタ(および視聴者)。おそらくこれは「エリクトからスレッタへのお礼、お別れの言葉」だったのだと思われます。エアリアルにエリクトが組み込まれているとは知らず、純粋にエアリアルを兄弟のように慕うスレッタの優しい行動に、エリクトはとても感謝していたのでしょう。「水星154年」と言うのが公式の「アド・ステラ」とどうリンクしているのかがわかりませんが、どうやらスレッタが幼少期の頃を指しているようです。

そしてスレッタのリアクションから、本人は「エリクトの存在」と「自分が誰かのクローンである」ことを全く知らず、想像すらしていなかったことが伺えます。プロスペラが如何にエアリアル覚醒のプロジェクトを極秘裏に進めていたか、とても怖い。

 

 

 

その名は「カヴンの子」

 

1「扉は開いたよ。」

2「鍵の役目は、もうおしまい。」

3「鍵はあなたでしょ、スレッタ。」

4「データストームの中でしか生きられない、エリィの代わり。」

5「肉体のないエリィの代わり。エリィの体、エリィの手足、エリィの拡張意識。

6「それが私たち、カヴンの子。」

 

「どう言うこと?代わりって?」

 

 

7「君たちは僕の遺伝子から作られたリプリチャイルドってことだよ。」

8「17年前にお母さんが、覚えてないの?」

9「でも、もう大丈夫。」

10「クワイエット・ゼロは居場所作ってくれる!」

11「だからスレッタはもう、いらないの!」

 

データストームの影響を受けるスレッタ。本作で初めての描写。これまでデータストームを代わりに受けていたエリィたちの庇護が終わってしまったことを意味します。

 

いや、、、大方の予想通りではありました。ではあったんですが。公式ではっきりと明言されると、悲しいまでの鬱展開。で、カヴンとは?

 

カヴンまたはカブン(英: coven):魔女の集まり(魔女のグループ、魔女団)を指す。

 

セリフを書き出してみると、おそらくクローンのエリクト11名がスレッタに衝撃の事実を伝えます。なんか卒業式みたいですね(白目)。これまで、スレッタの手足のように戦ってきたエスカッシャンエアリアルのビット)でしたが、彼らからしてみれば、「むしろスレッタの方がリアルとのコネクターとしてのパーツにしか過ぎなかった」、そして「パーメットスコア8に至った時点で、外部とのコネクタであるスレッタは用済み」、と言う悲しい事実が突きつけられます。辛い、辛すぎる。

 

 

 

エリクト補完計画の始動

 

回想シーン。冷たくなっていくエリクトに縋るプロスペラ。

 

 

「わかった?スコア8なら、僕は自分の意志で動ける。パイロットはもう、必要ないんだ。」

 

「やだ、、、」

 

「だから、君はこれ以上、すがっちゃいけない。」

 

「待ってよ!」

 

「僕にも、お母さんにも。」

 

エアリアル!!」

 

宇宙空間に投げ出されるスレッタ。

そこに現れるプロスペラ。しかし母親として抱きしめることはなく、救難信号機器をスレッタに取り付け、宇宙空間へと放ちます。

 

「学園に戻りなさい、スレッタ、あそこなら、あなたの胸を埋めてくれる。」

「いいの、エリィ。あの子も一緒に行くことだって。そうね、スレッタは自由に生きていいのよね。」

 

 

snsでは「プロスペラにも親の愛情があったのか」と言う感想が多く見られます。いやいや、これは「複数の子供を持つ親が、里子に出す子への最低限の愛情」程度でしかないと思われます。あくまでプロスペラの中では「エリクトこそが最大限に愛すべき子供」であり、「スレッタはまぁ、何とかなるだろ」でしかないわけです。悲しい、悲しすぎるスレッタ。

 

 

エアリアルは「ゆりかごの星」でも描かれていたように、「復讐は2人で」を実践し始めます。悲しいかな、スレッタが進めたエアリアルの覚醒への開発(決闘)を経て、スレッタは母親とエアリアルと言うたった2人の家族を失うことになりました。しかしそれは同時に、プロスペラの復讐からスレッタを遠ざける側面も。

リプリチャイルドたちの精神年齢は幼く、死亡した当時のエリクトと近しい様子が見て取れます。データストームの中では時間軸がなく、思念体となった人は成長できないのかもしれません。

反対に、外見は幼いままのエリクトですが、語る内容は20歳台のような成人さが感じられます。たいせつに想う妹のために、敢えて突き放すような。第17話では一方的にシャットダウンを行い、混乱の最中にいるであろうスレッタに、せめてものお別れを…というところでしょうか。

両足を抱え、赤ちゃんのように泣きじゃくりながら宇宙空間を彷徨うスレッタ。立派な拷問ですって…。これはシュバルゼッテ(不幸な代用品)に搭乗して、空っぽのエアリアルと戦う、、、と言う展開があるかも知れません。いやぁ重い、重すぎる第18話でした。

 



 

 

戦え!ラウダくん!

平静を装うスレッタに「空っぽの水星女」と言ってしまうラウダ。おそらく、ランブルリングで助けてくれたことに対する感謝を伝えに来たと思われる3人組(ラウダ&フェルシー&ペトラ)ですが、怨念が積もったラウダがついつい、口にしてしまった、と言うことでしょうか。「堕ちろぉ!水星女ぁ!!」とまで言っていたラウダさんですからね、しょうがないかもしれません?

そんなラウダさんですが、ジェターク寮のメンバーに陰口を叩かれてしまいます。これまで、ランブルリングで瞬殺された以外の敗戦は描かれていませんが、メンバーからの信頼は微妙の様子。兄を慕いつつも、自分には秀でたものがない、空っぽかもしれない、と言う思いを感じさせる短いカットがありました。悪口は自分に返ってくる、と言いますが、見事に証明してしまいました。

今回、なぜ本エピソードが挟み込まれたのかが不思議なんですよね。スレッタを精神的に追い込む追加イベント?だけで終わらない気がします。スレッタと同様に、自らも「からっぽ」であることを認めたラウダが、地球で危機に陥る(であろう)グエルを助けるため、開発中のシュバルデッゼにエリクトを乗せる??!!などの伏線かも知れません。

 

 

 

負けるな!ベルメリアさん!

ペイル社を抜け出し、賛同できないはずのクワイエット・ゼロに協力してしまっている、みんなのベルメリアさん。今度は宇宙議会連合のフェンに接触されてしまいます。彼女の想いとは別に、ガンド技術にまつわる様々な勢力に翻弄されてしまう人生。78番ハンガーの存在をフェンが知っている=プロスペラの行動も筒抜けの状況、と言うことが読み取れます。「ガンド技術が宇宙議会連合に漏れる」、「株式会社ガンダムへのスパイ活動を強要される」などの展開が予想されますが、ベルメリアさんの明日はどっちだ…。

 

 

重すぎる後半でしたが、イキイキとしたセセリアが戻ってきてくれたので、満足です。マルタン、良かったな?!来週はいよいよ地球篇に突入でしょうか。公式さん、どうかお手柔らかに…。

 

 
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